HOME > 事業報告 > 平成28年度事業報告書

平成28年度事業報告書

◇平成28年度事業報告書 平成28年4月1日から平成29年3月31日まで
 

1 事業の成果

(1)「はすのは」の任務は、「定款第3条事業目的」に定めるように、貧困者や刑余者を対象に生命を維持させるための支援を行うことにある。高知県自殺対策事業としても認可され、今年度も数多くの住民を救済し、実際にも自殺者を出さないで済んだ。
(2)特に近年は、刑余者の救済も増え、生活や住居確保を支援し、出所者が安定生活に入る者が続いている。そして、県内外の刑務所住人から、出所後の支援の要請や問い合わせの手紙が次々と届き、刑余者の救済は200人を超えた。但し、この面での活動は万全とは言えず、再犯者を1名出している。
 

2 事業の実施に関する事項

(1)特定非営利活動に係る事業

 定款の事業名 救済安否確認事業
定款第5条に定める事業計画 ①サ 再犯させない事業
②シ 死なせない事業
③ス 住まいを確保する事業
④セ 生活を確保する事業
⑤ソ 相談を解決する事業
実施日 常時
実施場所 事務所及び対象者の自宅や病院等
従事者の範囲 常時10名
随時10名
前年常時10名
随時6名
受益対象者の範囲及び人数 貧困者や刑余者、相談77
訪問264
たまり場537
前年113名
事業費の金額 187万円
前年150万円
(2)その他の事業 実施なし
 

3 活動記録(救済活動は別記)

(1)発足以来の重要な出来事

2003年10月

塩冶一彦が高知市潮江地区で友人と相談活動開始。

2011年 4月

塩冶一彦が貧困者・刑余者救済活動、借家連帯保証人200件超を引受。中島弁護士と森本司法書士、法テラスなどの関係者が対策に乗り出し、借家保証事業団体「あまやどり」が発足。

2012年10月

「高知市民サポーターはすのは」発足。

2013年 4月

「はすのは」が高知県自殺対策事業団体としてに認証、以後毎年補助金を受領。高知県社会福祉協議会の助成金毎年受領。

2014年11月

「はすのは」が高知県保護観察所長から刑余者救済で感謝状授与。

2014年12月

塩冶一彦がNHKラジオ深夜便に出演。「生活保護が守る命」を語る。

2015年 2月

「特定非営利活動法人はすのは」認証。高知法務局に法人設立登記。

2016年 4月

高知県社会福祉協議会・NPO「てをつなごう」誌で「はすのは」の活動紹介。

2016年 5月

「はすのは」が保護観察所関係団体登録書提出。

2016年10月

全国社会保障推進協議会「社保学校」に理事長シンポジスト。

2017年 2月

毎日新聞報道。窃盗累犯、福祉の谷間、知的障害被告「シャバが怖い」。

(2)今年度の会議行動
◇「はすのは」毎月理事会と活動交流会議を開催、総会は毎年2月と4月に開催している。
◇「はすのは」は、2016年4月に法令に基づく「特定非営利活動法人はすのは」の活動報告書を、高知県NPO管理者(県知事)に提出した。そして、主要な関係者にも写しを提供した。
◇高知市生活支援相談センターが隔月開催する関係機関会議に出席している。
◇「はすのは」は借家保証団体「NPOあまやどり」と定期協議を行っている。
◇あまやどり杉本雅史氏の仲介で、高知市障害福祉課との協議を行った。
◇官署団体の要請に従い、貧困者・刑余者の支援を行い、各種業務に協力している。
◇相談活動を充実させるため、「よりそいホットライン」や高知県行政書士会などから参加を求めた。

 

4 救済活動

(1)主な出来事(氏名は符号化した)
◇1001AR、貧困者、飲食店経営、売上1日数千円、土地建物は息子名義で大きな借金が有るので売りに出しているが売れない。息子からも相談申込が有ったが相談日設定は未だ。
◇1001HR、貧困者、県下福祉事務所からの依頼。住居と保証人を確保、生活保護移籍、電話を持たず、飲酒と放浪の日常で連絡取れず、「はすのは」も福祉事務所も本人を捕まえるのに必死。
◇1002LR、刑余者、前科十数犯、弁護士紹介。生活保護申請、住居と保証人を確保、直後に再犯、全てがムダに。
◇1003BR、刑余者、ネットで「はすのは」を知り来所。「はすのは」で住居と保証人を確保し、生活保護を申請、その後失業保険や生活保険解約金が入ることが判明、とりあえずは自力生活することになった。債務は「はすのは」の紹介で弁護士に依頼。親族との繋がりは切れている。アルバイトしながら「たまり場」にも通い、安定生活が始まっている。自力生活が途絶えたら生活保護を申請する予定。
◇1004FR、刑余者、官署の紹介で来所、生活保護を申請し、住居と保証人を確保。前科十数犯で数十年間ほとんど刑務所暮らし。出所しても生活支援は全く無く、住居の契約も生まれて初めて。市民生活の経験が無く、タテの命令は聞くがヨコの繋がりは考えたことが無く、ケンカ多発。支援開始後も呑み屋でケンカして県外に逃亡、警察も検察も「事件にしても効果が無い。はすのはで更生がはかれないか」と相談、引き受け。隣家とケンカして県下に逃亡、警察も同じ考えて又引き受け、「市民に迷惑を掛けない生活」をを目指して見守り。
◇1006GR、貧困者、法テラス経由の債務整理担当弁護士が紹介。離婚は合意したが移転はこれから。「はすのは」が住居も保証人も確保。条件が整ったら生活保護も検討する予定。
◇1006NR、刑余者、弁護士の依頼、出所後の支援要求、刑務所で面会、支援を約束。
◇1008LR、貧困者、夫のDVで離婚、再婚の夫もDV、家族の自殺などもあり、精神疾患発症、入院中、「はすのは」で住居確保。
◇1010GR、貧困者、相談者と祖母と娘の女3代家庭、祖母の収入だけでは生活が息詰まっているが、生活保護申請ラインは超過。相談者と娘が転居、友達と離れたくない娘に、1人の人間として生活現状を相談するよう助言、娘が笑顔で転居を承知、幸い同じ校区で家が見つかり、仕事も見つかる。
◇1025EL、刑余者、知的障害者、窃盗をするしか生活の術を知らない人。
刑務所で面会して出所時の連絡方法やその後の生活の仕方について打ち合わせを行ったが、出所時にどうして良いか分からなくなり、 流れ流れて遠隔地に。そこで窃盗で逮捕され、弁護士が「はすのは」の名前を聞き取り、連絡が繋がった。県外の裁判所で塩冶一彦が証人に立ち、出所後の生活や更生の支援を証言、刑期が大幅に縮まる判決となり、本人の気持も安定。
(2)今年度支援開始相談者 救済を伴う者
1001ER、貧困者、生活保護、安否確認。
1001FR、貧困者、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1001HR、貧困者、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1001NR、貧困者、住居確保、安否確認。
1002AS、刑余者、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1002ER、刑余者、出所後支援、安否確認。
1002GR、刑余者、出所後支援、安否確認。
1002LR、刑余者、再犯、生活保護、住居確保、保証人、安否確認。
1002NR、貧困者、住宅確保、保証人あまやどり、安否確認。
1003BS、刑余者、生活保護、住居確保、保証人あまやどり、債務整理、安否確認。
1003DR、貧困者、生活保護、住居確保、安否確認。
1003FR、貧困者、住居確保、保証人あまやどり、就労、安否確認。
1003GR、刑余者、生活保護、住居確保、安否確認。
1003MR、再来、貧困者、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1003NR、貧困者、生活保護、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1004AS、刑余者、出所後支援、安否確認。
1004DR、貧困者、生活保護、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1004FR、再犯再三再来、刑余者、生活保護、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1004GR、貧困者、生活保護、債務整理、安否確認。
1004NR、刑余者、出所後支援、安否確認。
1006NR、刑余者、生活保護、住居確保、安否確認。
1007CS、貧困者、生活保護、住居、安否確認。
1007DR、貧困者、生活保護紛争、息子の精神疾患、終了。
1007ER、貧困者、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1008CS、貧困者、借家保証人、
1008DR、貧困者、生活保護転籍、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
1008GR、刑余者、アル・薬物中毒、安否確認。
1008LR、貧困者、住居確保、総合失調症、バセドウ氏病、安否確認。
1009GR、貧困者、住居確保、安否確認。
1010DR、刑余者、出所後支援。
1010LR、貧困者、住居確保、保証人あまやどり、安否確認。
以上合計 77名うち別件再来8名 
(3)活動統計
◇活動参加者 常時10名、随時10名。どちらも就職や病気などで年々交代が多い。
◇事務所相談来所 77件
◇訪問・安否確認(自動車) 264回。1004FR22回、1001MN16回、1002AR14回、1003NR14回、1010HK12回、1003KM12回、1001MP12回、1018FK11回、など。
◇たまり場来所 537回。
◇その他の活動 生活保護申請同伴10件、住居確保19件、保証人確保12件、債務整理3件、刑余者支援17件、新聞広告10回。